俺も豚、お前も豚、みんな豚


適菜収の『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』。
題名からしてずいぶん物騒な本だけど、僕は何度か読み返している。
三島由紀夫は、人間が知らず知らずのうちに精神を堕落させていくことを、恐れていた人。

今じゃ絶滅危惧種のマニュアル車。発進するときはクラッチを踏んで1速に入れ、半クラッチでアクセルを開ける。スピードが乗ったらアクセルを戻してクラッチを切り、2速へ。
交差点が近づけばブレーキを踏みながらギアを落として、ハンドルを切る。
両手足をバラバラに動かしながら、目、耳と総動員。まるでドラマーだ。慣れれば無意識にできてしまうけど、結構複雑な操作だ。
それがオートマになって、人間がやるのは右足のアクセルとブレーキ、あとはハンドルくらいのものだ。
運転は確かに簡単になった。でも、運転する人間が賢くなったわけじゃない。
ちなみに僕は、もう長いこと右足でアクセル、左足でブレーキを踏んでいる。ダートラで走っていた頃からの癖だし、タイヤショベルもこの踏み方。
だから茶碗と箸を逆に持つくらいボケない限り大丈夫(笑)

ここ10年くらいの感じだが、高齢ドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違えて、店や建物に突っ込むニュースが日常化している。
で、、統計を調べてみた。交通事故総合分析センター(ITARDA)の2025年のデータでは、四輪車のペダル踏み間違いによる人身事故は年間2,926件。
毎日8件、どこかで誰かが踏み間違えている計算になる。そのうち65歳以上が1,561件で、全体の53.3%。
僕も来年で65歳。ヤバい。

ここ5、6年は3,000件前後で、ほとんど横ばいのまま。この数字だけでオートマが悪いとは言えないが、なんだかんだ人間は踏み間違えている。

そしてどんどん賢くなっていくのは車。自動ブレーキなど安全装置が色々装備されるようになった。
ま、事故が減るなら、それに越したことはない。
でも、、、
車が過保護になっていき、人間のほうは何かを失う感じ。

今、これとそっくりなことが人間の頭の中でも起きていると思う。
昔は何かを知りたければ、本を読んで、人に聞いて、何冊もの資料を行ったり来たりしながら、自分の頭でつなぎ合わせていた。いわばマニュアル脳だ。そこにインターネットが出てきて、検索窓に文字を打てば答えが出てくるようになった。オートマ脳化した。

そして今度はAI。
調べるだけじゃない。読んで、比べて、整理して、文章にして、結論まで出す。
車がMTからATになり、運転支援が付いて、いずれ自動運転に行き着く。それと同じ道を、脳みそのほうもたどってる。ハンドルから手を離すように、脳みそも自動運転。。

本を読まなくても、勉強しなくても、学校サボっても、立派な文章ができてしまう。脳みその上に、もう一つ脳みそが乗っかっているようなものだ。
見た目には頭が良くなったように見える。でも、下にいる本人は本当に成長したんだろうか、、

もちろん、「AIを使うとバカになる」という訳でもないが、AIに反論して使い倒せば、考える力を伸ばす道具にもなる。
結局は、考えるために使うのか、考えなくて済むように使うのか。それだけの話だと思う。

車の踏み間違いなら、建物に突っ込んで何人もの命が奪われる事故にもなる。でもAIの間違いは、会社の経営から世論、行政、政治、下手をすれば戦争の判断にまで入り込んで、事故どころの騒ぎではない。
AIが並べた情報を、確かめもせずに採用する。次の判断もAIに任せる。反論されたら、またAIに反論を書かせる。「思考停止のAI豚」かもね。
怖いのは、映画みたいにAIが反乱を起こすことじゃない。AIに運転を任せきった人間が、自分で止まれなくなることのほうだ。


この本では、「無知と無恥」を分けて考えている。

知らないことは、学べばいい。問題なのは、経験も知識もないのに恥ずかしげもなく、声高に言い切ってしまうこと。
…

この続きはブログ会員限定です。

続きを読むには、ログインまたは新規登録を。

 ブログ会員

はじめての方

新規登録

すでに会員の方

ログイン
エボホームオオヒラ

大平おおひら 邦夫くにお

このブログは、見る人によってはとてもつまらないとは思いますが、理想のマイホームを建てようかな??なんて考えている方に少しは役にたつかも知れません。お読みいただき少しでも親近感を持っていただければ、それだけで幸いです。

プロフィール  
過去の日記
PAGETOP